ALS(筋萎縮性側索硬化症)人工呼吸器が必要なゲスト訪問から気づいたこと

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ALS(筋萎縮性側索硬化症)人工呼吸器が必要なゲスト訪問から気づいたこと

北九州ブロック 臨床パストラル・カウンセラー 内田 英子

病気ではなくその人自身と出会う訪問でありたいと心がけてはいますが、ゲストの病名・症状を理解せずには訪問できない出会いでした。

今回の訪問は○○病院からの依頼でした。
頻繁に鳴るナースコールに対応しきれず疲れ果てている看護師の叫びからのスタートでした。 ゲストは、声が出ず、動くのは眼球のみ。わずかに残された顔の神経の動きから、特殊なパソコンで文章を打っていました。

ALSゲストは私へのあいさつ、来てくれてうれしいことを30分はかかりながら額の神経を使い打ち込みます。声を使うコミュニケーションなら一分も必要としません。 この作業をするとゲストは大変疲れる様子でした。

沢山のことばを日常使っていますが、どれだけ、大切に伝えているだろうかと、考えさせられた場面です。 生活のすべてを命すら看護師にゆだねているゲストはひとつひとつすべての事をナースコール(額のセンサー)でお願いしなければなりません。看護師は沢山の患者の希望に応えなければならずゲストの希望は後回しになりがちで、関係性がぎくしゃくしていました。

ゲスト訪問を重ねるうちに看護師の顔も覚え、あいさつを交わすうちに看護師の方からきつい仕事について、ゲストの要求ばかりはきけない事、そのことでゲストを避けようとしてしまうこと、担当しなければならない日はとても憂鬱な気分になる、など悩みを話すようになり、次第に看護師の表情が変わり部屋の雰囲気がゆるんできたように感じました。

ゲストと向き合う時は声を使わず短く文字盤で交わし、オイルマッサージをしながら目と感覚を頼りとしました。
訪問を重ねていくと、いろいろな方が私の顔を覚えてくださり、声をかけていくようになりました。「久しぶりですね、ありがとう、○○さんよかったね。気持ちいいでしょ?」など最近のゲストの様子なども支える様々な方の声を聴くことができました。また、介護者である娘さんとは会う機会が少ないので、ノートで会話を重ね家族への関わりも大切にしました。「母が感謝してました。母は、こんな人です。私も安心感が出てきました」、等。 書くことで、家族とゲスト、ホストを繋いで関係を深めてきました。

今回の訪問で気づいたことは、ゲストを支えるまわりの人を支える事の大切さです。 看護師の話を聴くこと、介護に疲れている娘さんの心に寄り添う事、そのことでゲストの関わりにも余裕が生まれたということです。
私自身の役割(スピリチュアルケア)の立ち位置を手探りする訪問は今も続いています。


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