老人ホームでのパストラルケアについて
***「特別養護老人ホーム・暁星園」の一例をご紹介します***
2008.6.28 小野照子
1.施設の概要
仙台市宮城野区にある特別養護老人ホーム暁星園は1976(S51)年に設立された社会福祉法人カトリック児童福祉会経営の施設で、今年33年目を迎える県内でも最も古い特養の一つです。定員は56名、ショートスティ4名。開設当初より市内の修道院からシスターが2、3名ボランティアとして(一時は職員として)入居者の心のケアや宗教的ケアに当たっておりました。その後シスターの高齢化や修道院の移転に伴い、10年前からパストラルワーカー職が設けられ常勤で職員一名が勤務する体制が取られました。
私は2003年4月より勤務し、6年目を迎えております。勤務時間は9時から17時までの7時間で月曜日から金曜日まで。勤務時間と年齢的(60歳以上)なことから準職員の身分であり、職員組織の構成では園長⇒生活相談員⇒パストラルワーカーとなり介助員と同列、任命は一年毎の更新です。
施設の基本理念は、キリスト教の精神に基づいたものであり、入居者の精神的・霊的ケア、ターミナルケアの重視(ほぼ全員が園で帰天されている)をかかげておりますが、種々の要因でパストラルワーカーの仕事内容は多岐に亘りスピリチュアルケア本来の心のケアのみに当たることは困難な現状にあります。高齢者の施設にパストラルワーカー職が設けられ、その一時期を担当させていただいていることことに感謝しつつも、自分自身の微力さと仕事内容の広範さに勤務以来の葛藤があります。
2.勤務内容
- 居室訪問・対話・傾聴
- 見守り(ターミナル期・体調不良時・精神不穏時等)
- 宗教的ケア: カトリック信者5名・プロテスタント信者1名
聖体拝領・病者の塗油の準備・毎日の聖書の提供や読み聞かせ・祈りなど) - 傾聴ボランティアの受け入れ(現在は5名)
- 担当(参加)する行事
毎月の追悼式・・・開所以来(32年間)のその月に帰天された方の為にみことばの祭儀を行う
祈りの会・・・・・月2回(シスターが指導)
帰天者のお別れ会・葬儀関係・聖母被昇天祭・合同慰霊祭・共同墓参・クリスマスミサ
サービス担当者会議(入居者56名につき年に一度)
カンファレンス(必要に応じて参加)
生け花教室(月一回)
音楽教室(週一回)
その他(食事介助、散歩、実習生への業務説明・職員会議など) - 記録・提出物・・・ケース記録・日誌・年度末の事業報告
3.各仕事のウエイト
2、3年前より人事考課制度が導入され年2回自己評価をする必要が求められている。その際に検討したもの)居室訪問・対話・傾聴・・・・・・・40%
見守り・・・・・・・・・・・・・・ 5%
宗教的ケア・・・・・・・・・・・・10%
宗教的行事・・・・・・・・・・・・20%
その他・・・・・・・・・・・・・・25%
4.皆様からご意見やアドバイスを頂きたいこと
- 務内容②の「見守り」は“共に居て見守る”ことで大切にしたい仕事ですが適切な用語はないでしょうか。
- 入居者と関わる十分な時間を与えられていますので可能な範囲で対話・傾聴を記録し、情報の共有に努める必要があります。日誌の形式にはどのようなものがあるでしょうか。
- 何か新たな提案や不明な点、ご質問などがありましたらお寄せください。宜しくお願いいたします。