一般病院でのスピリチュアルケアの6年

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一般病院でのスピリチュアルケアの6年

出会いは無限の輪

スピリチュアルケア・ワーカー 山下春憙


山下春憙氏1 活動経過

今年3月で75歳の誕生日を迎えるに際して、ひとまず病院でのスピリチュアルケアに一応の区切りをつけたいと思いました。そこで、この3月いっぱいで病院との嘱託契約を終了させていただくことになりました。
今、6年に近い病院でのスピリチュアルケアの歩みを振り返って、水島協同病院への感謝の気持ちを表したいと考えました。

① 田中事務長(当時)との出会い
搏動74号に「水島協同病院における1年半のスピリチュアルケアの実践」の中で、田中事務長(当時)との出会いの経緯を書きましたが、まさに田中事務長との出会いがその後のわたしのスピリチュアルケアの歩みを決定づけたと言えるのです。
2001年2月27日発行の医療倫理委員会の病院への答申「当院らしい緩和ケア病棟」を読んだことがきっかけで田中理事さんと出会いました。初対面で田中理事さんとは医療におけるスピリチュアルケアの必要性などで意気投合し、次の医療倫理委員会で話をするようにと要請されました。

② 2001年8月17日、医療倫理委員会での小講演が水島協同病院との最初のかかわりでした。

③ 2002年2月には、理事会でスピリチュアルケア・ワーカーを水島協同病院へ受け入れることが決定されました。

④ 2002年6月12日 病院の中でスピリチュアルケアの仕事を始めるに先立ち、看護部主催の勉強会でスピリチュアルケアの講演をしました。その後、6月14日から、スピリチュアルケアの専門職として医療チームの中に入れていただくことになりました。

⑤ 2003年6月30日には、臨床パストラルケア教育研修センターのキッペス先生のスピリチュアルケアの講演会が学習教育委員会と医療倫理委員会の協同主催で行われました。

⑥ その後の経過

2003年9月3日、健寿協同病院の看護部主催で職員に講演。
2003年9月10日、倉敷医療生協理事会保健活動委員会の理事さんに講演。
2003年11月27日 全日本民医連学術・運動交流集会in名古屋で25分間の小講演。
2004年2月3日から病棟をラウンド開始。
2004年3月、搏動74号に「水島協同病院での1年半のスピリチュアルケアの実践」を掲載。
2004年4月21日 坂出聖マルチン病院でスピリチュアルケアについて講演
2004年7月10日 肝友会(肝臓の病気の人の会)でスピリチュアルケアについて講演。
2005年3月26日 暖流会(大腸がんの患者さんの会)で講演。
2005年4月7日 「新入職員に期待するもの」と題して講演。
2005年4月20日 岡山協立病院の医療倫理委員会主催の勉強会でスピリチュアルケアについて講演、2時間。
2005年5月7日 尾道生と死を考える会でスピリチュアルケアについて講演(尾道ケーブルテレビで放映)2時間。
2005年6月18日日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会in広島で、スピリチュアルケア部会で基調講演1時間、その後分科会3時間。
2005年9月 「搏動」第80号に広島での講演記録を掲載。
2005年12月13 倉敷医療生協 中堅看護研修会で講演。
2006年4月5日 水島協同病院・新入職員研修でスピリチュアルケアについて講演。
2006年12月4日 岡山市ソワニエ看護専門学校でスピリチュアルケアの講義。
2007年2月26日 岡山市ソワニエ看護専門学校でスピリチュアルケアの講義。
2007年3月29日 地域医療連携室で講演
2007年4月3日 倉敷医療生協新入職員研修会で講演
2007年11月11日 第1回日本臨床スピリチュアルケア研究会で一般講演。テーマは「病室は聖なる場」


2 出会い

田中理事さんとの出会いに始まる「出会は無限の輪」(ある患者さんがこの言葉をよく使うのですが)の展開は思わぬところに発展していきました。

「搏動」74号に掲載された「水島協同病院でのスピリチュアルケアの実践」の記事がきっかけで尾道生と死を考える会の講演が実現しました。この講演はノーカットで「尾道ケーブルテレビ」で放映されました。その後、これが、日本ホスピス在宅ケア研究会in広島・全国大会でのスピリチュアルケア部会の基調講演へとつながりました。この部会には全国からホスピスや病院などで働く医師、看護師、介護福祉士やその他の医療従事者及びスピリチュアルケアに関心のある方々が150名ほど集まりました。与えられた1時間の基調講演のテーマは「スピリチュアルケアとは」、副題は「一般病院でのスピリチュアルケアの実践から」でした。これは水島協同病院でのスピリチュアルケアの実践で体験し、患者さんから教えていただいたことが土台になっています。

うれしいことには、この講演がきっかけで多くの方々との出会いがありました。そのうちの一人はその後、スピリチュアルケアの研修をはじめ、去年の11月に臨床パストラル・カウンセラーの資格認定を受けました。現在は山口県下松市の病院でスピリチュアルケア・ワーカーとして働いています。

医療界においてスピリチュアルケアの必要性の認識は10年前にくらべると格段の感がありますが、まだ一般病院ではスピリチュアルケア・ワーカーの活躍はあまり見られないのが現状です。その中での一般病院でのスピリチュアルケア・ワーカーの実践は日本でのパイオニアーとしての体験でした。昨年の11月11日の 第1回日本臨床スピリチュアルケア研究会で「病室は聖なる場」のテーマで講演しましたが、これは、水島協同病院での6年間のスピリチュアルケアの実践のエッセンスを紹介したものです。

3 感謝

最後になりますが、この6年間、まだ日本ではなじみのないスピリチュアルケアを水島協同病院に導入してくださった杉山理事長、里見院長、田中理事をはじめ理事の皆さん方の英断に敬意を表し、心から感謝申し上げます。

一般病院でのスピリチュアルケアはまだまだ未知の歩みです。その中にあってあたたかい協力を惜しまなかった現場の医師、看護師さんとその他の職種の方々に特に感謝の気持ちを表したいと思います。

それから、6年の間に出合わせていただいた患者さんにも感謝したいと思います。患者さん一人ひとりのすばらしい生き様に接し、教えていただいたこと、こころから感謝いたします。みなさん、6年間本当にありがとうございました。

2008/07/08


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