「Fさんの場合」

「Fさんの場合」

Fさん28歳の男性で神経に無数の腫瘍が出来て、痛みの強い難病の方でした。

彼は「話がしたい」「誰か話をきいてほしい!」という叫びを上げていました。初めて会ったとき「おばさんくらいの年の人が一番話し難い」と言われました。傍にいたお母さんは「何の話?お母さんじゃダメ?」としきりに言われましたが、Fさんは「これは深いところの話。だから、お母さんが居なかったら、この人と話ができる」と言われたので、夕食後改めて訪問したのです。

彼は「大学生活1年が過ぎた頃から家に引きこもり、家族には本当に迷惑をかけた。別の大学を再度受験して学生生活を送っているところでこの病気になった。

まだ社会にも出ていないのに、これで終わりなの?それじゃあ、僕の人生は一体何だったのか。僕はこれまで人と話をしてこなかった、人と関わり、会話をするということがなかった。

今になって無性に話がしたいと思ったんだ。」と語った。「このままで終わるのは情けない、もう一度元気になれると思いたい」「そうよねえ、そう思いたいね」「望みは捨てないが、現実に弱っていく。こんな苦しい自分は、これからどう生きればいいのか・・・」彼は突然「マザー・テレサは言われましたよね。“かれら死にゆく人々)は、私たちが与える以上のものを与えてくれる”。

それなら、ぼくでも何かを与える事が出来るんじゃないか・・と思う」。それではFさんはどんな事ができるだろうかと一緒に考えながら、マザーが日本に来られた時話された一人のおばあさんの話をしました。

最後はマザーの腕の中で静かに微笑んで「サンキュウー、マザー」と言って、息を引き取られた。「それはそれは美しい笑顔だったそうですよ」「そうかあ・・僕にもできるかな・・・」「苦しい時は・・・でもじっと我慢するしかない、ただ、苦しいだけだ・・・」と次第に思いを深めて行かれた。そしてついに「祈りや愛があるから苦しい事も耐えられるんだ」と苦しみに意味を見だされたようでした。

・・・この訪問は忘れられない一期一会になりました。

※(臨床パストラルカウンセラー、「心と魂の叫びに応えて3」から引用)


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