臨床パストラル教育研究センター Q&A のコーナー
これまで寄せられた皆さんの疑問にお答えします。
| Q センターの認めるスーパービジョンとはどのような仕組みになっていますか? |
| Q 8科目(T〜[)についての説明をお願いします。 |
Q センターの認めるスーパービジョンとはどのような仕組みになっていますか?
- A: スーパービジョンについて
センターの資格認定及び資格認定更新のためのスーパービジョンとは、センターの認めるスーパーバイザーからスーパービジョンを受け、日時、スーパーバイザー名、回数を明記の上、訪問記録を、研修部に提出し、研修部が、本部事務所、及び、久留米事務所にそれを報告した場合に限ります。
センターの認めるスーパービジョンはスピリチュアルケア誌で何回もお知らせし、皆様ご存知のように、全国の受講者が均等な費用で受けることができるために、互助制度を採っています。現在は、全国何処でも1回2,000円の互助費となっています。それらはストックされ、北海道、仙台、神戸、岡山、などへ出張するスーバーバイザーの交通費に当てられています。ですから、会員、非会員を問わず、個人がスーパーバイザーあるいはセンターに支払う仕組みです。
センターの認めたスーパーバイザーの氏名は現在、W・キッペス先生、シスター益尾悦子、シスター木澤寛子、中島保壽先生、国枝欣一先生、盛克志先生の6名諸先生です。
W・キッペス先生、中島保壽先生、国枝欣一先生、盛 克志先生には互助費を交通費として直接先生にお支払い下さい。スーパーバイザーの交通費が発生しない場合は、センター本部事務所にまとめて、お支払い下さい。
ある施設が職員の勉強のために、スーパーピジョンを開催し、その費用を支払い、その報告をセンター研修部にしない場合は、センターの認めたスーパーバイザーからスーパービジョンを受けたとしても、資格認定及び資格認定更新のためのスーパービジョンとみなされませんのでご注意下さい。
今後、センター認定のスーパーバイザーが、増えるなど、変更のある場合は、ネットワーク誌に掲載されます。お問い合わせ先は本部事務所にお願い致します。
Q 8科目(T〜[)についての説明をお願いします。
- A: 各科目の研修会講義内容について
●第T科目 人間関係とコミュニケーション 傾聴
1.人間関係とコミュニケーション
人間は、本質的に「関係による」および「関係にある」存在である。 この関係は自己創造的なものではなく、人間関係の存在は「関係」にある。健康的なコミュニケーションは健全な人間関係を促進する。不健全なコミュニケーションは人間関係を低下させる。健全な統合されている人間関係が目標である。コミュニケーションはこのような人間関係を築く手段であり、目標ではない。
2.傾聴の哲学的、神学的および心理学的な側面
人間は、基本的に「受け取る存在」として考えられる。人間の存在そのものと生命は人間自身が取得できるものではなく、他力(親、自然、超自然、神)によるもの、つまり与えられたものである。傾聴即ち耳を傾ける方向は自己以外のものであり、聞かれたことも他者/自己以外のものによるのである。人間のアイデンティティー(名前を含む)は他者に呼ばれたこと=「VOCATION 使命」の結果である。
傾聴は、人間関係および人間のコミュニケーション(意思の伝達)のかなめ石である。正確で健全な傾聴は健全で統合されている人間関係を育成させるが、不十分な傾聴はコミュニケーションを低下させ、病理的な人間関係を作り上げる元になる。
●第U科目 価値観の明確化 VALUES CLARIFICATION
健全な人間関係は本物であろうとする人間から成り立つ。本物の人間は堅実なアイデンティティをもっているものである。アイデンティティそのものは他者・社会・環境などによって影響されることなく、自分自身の中で聴き取った価値観に形成されている要素である。不確かな価値観は不健全な迷いの原因となることがある。
●第V科目 スピリット・スピリチュアル
人間が身体と知性、感情と情緒の育成と同様に心・霊・魂の育成を必要とする。心・霊・魂のウェルビーイングは身体と知性、感情と情緒のウェルビーイングと同様に悪化から回復の為への的確なプロのケアを必要とする。そのために心・霊・魂の理解が不可欠条件である。
●第W科目 スピリチュアルな痛み
スピリチュアル・(心と魂の)ニーズはスピリットのみに満たされる。適切に満足させられなかったニーズはスピリチュアルな痛みの原因となる。この痛みは人間の中心(核)から湧き出てくる実存的な哲学的、および信条・信仰(宗教的)による事柄である。人間をはじめとして、命や存在そのもの、生や死、思いやりや憎しみ、平和や戦争、自然などから生じてくる幸福や不幸などという事柄は理解しがたいものであり、スピリチュアルな痛みの元である。当科目ではスピリットの定義に基づくスピリチュアルな痛みを取り扱う。
●第X科目 スピリチュアルケア
人間は身体や知性、感情と情緒などの育成と同様に心・霊・魂の育成は欠くことができない。心・霊・魂のウェルビーイングは身体や知性、感情と情緒のウェルビーイングと同様に悪化し、その回復には的確なプロのケアがなくてはならない。
●第Y科目 哲学的人間論
生命、人生の意義や目標、人生観、社会観、世界観や歴史観、人間成長、苦痛、死ぬことと死、自己の哲学
生きるためには健全で正確な哲学をもつことが不可欠条件である。人間として生きることは植物や他の動物と異なっている。意義のある人生を送るために、人間は自分自身の長所と価値観(アイデンティティ、使命や人生の目標を含む)を知るべきである。長所は無限ではなく、自分自身の価値観を追及するために与えられているものであり、そのために使うべきである。
価値観を追及することは自己実現へと導かれる。自己実現は自己中心的なものではなく利他的である。人間の存在は他者(他力)によるのであり、人間の生きる意義(目標)は他者に命を与え、その命を育成することにある。
生きることは成長することであり、成長することは変わることであり、変わることは苦しむことを伴う。成長すればするほど苦痛は多くなる。本物の人間になることは、よく変わりよく苦しむ過程である。苦痛なしに成長はない。死ぬことおよび死は、新しい命(生き方)への成長の最後の段階として考えられている。
不明瞭や不確実な人生の目標は、本物でない人生および病気へと導かれる原因になる。
●第Z科目 神学的・宗教的人間論
宗教、信仰、信条、祈ること、礼拝および崇拝、超自然の存在(神)、罪、罪の赦し、救いおよび復活 = 自己の神学
固有な宗教をすべての人々が持っていないかも知れないが、一人ひとりは何か(だれかを)を信じていると仮説する。祈ることや礼拝はその人それぞれの信仰の表現である。健全な信仰や宗教を持ち続けるために、時には、その信仰、信条や宗教を迷信ではないかと(再)確認する必要がある。長い目でみれば、迷信は健康を損なうものであるからである。
信仰の有無でなく、無神論者や不可知論者でも、人間は何らかの超自然の存在を考えているだろう。
超自然の存在(神)の信仰者にとって、罪とその赦し、救いあるいは滅び、復活や輪廻自己存在の継続であるか終焉かは日常生活、特に病気の時に何らかの影響を与える要素である。不明確な信仰は健康に害を与える。
●第[科目 個人の成長と成熟。人格の心理学的、哲学的、宗教的な統合
健康とはその人その人の身体、精神、心と魂の全人的な統合であると定義される。健康は身体的、心理的、社会的およびスピリチュアルな次元の統合である。分裂は健康の破壊、病気の元である。