科目Ⅱ:価値観の明確化

科目Ⅱ:価値観の明確化

名古屋・愛知県がんセンター中央病院

(2012年10月26日~28日)

お金か心

お金か心



研修前、研修中、研修後、結局、ずっと、「自分についてではなく、自分にとって大切なもの」を考えている。

自分の価値観は、研修前と大きく変わること はなかったが、本当にそれでいいのだね、と自問自答する日々が今も続いている。 「自分について大切なこと」は、多くの場合、他者から良く見られたいとい う願望に基づくため、自分を人と比べることになる。私はかなり前から、人と比べることをしなくなったので、お金や地位、名誉といったものに対して、価値を 感じなくなった。そしてそのおかげで、自分らしく生きることができるようになった。

しかし、経済活動をする一般社会では、どうしてもお金や地位、名誉を 求めなくてはならない場面があり、その中にあっても、自分はそういったものには価値を見出していないということを主張できるのだろうか、ということを自問 している。偶然なのか必然なのか、ちょうど、自分をとりまく環境がしずつ変化し始め、その環境の中で自分の価値観を明確にしないと、周りに流されてしま う状況が生まれている。自分の価値観を主張する勇気を培っている状態である。

自分の価値観は、自分の心の中から湧き出るものであって、周りに影響されてはいけないというのはよくわかった。自分の体験の中から出てきたものでなけれ ばほんものではない。しかし、自分は一人だけで生きているのではなく、必ず人の影響を受けている。周りの人の意見やいろいろな情報の中で、本当に自分に とって必要なものをちゃんと取捨選択できるだけの力がないとだめなのだろうな、と思った。

手段と目的の違いは、いろいろ考えさせられた。「~をしたい、~になりたい」という多くのものは、意外と手段に過ぎなかったのではなかろうかと気づい た。手段と目的、数と質、人気と実力、具体性と抽象性、目に見えるものと目に見えないもの、実はどれも同じような関係にあるのではないかと思い始めた。決 して手段と目的に善悪があるわけではないけれど、何かをするときに、目的を明確にする必要があると感じた。

研修後、母がお世話になっていたホスピスから頼まれていたレポートを書いた。家族の立場から、ホスピスについて、母について、自分についてなど、いくつかの項目について書くように言われていたものだった。

今回学んだ価値観のことを考えながら書いたのだが、ちょっと面白いことに気づいた。母にとって最も価値のあるものは「お金」だった。母の人生の中では、結局最も信じられるものだったのかもしれない。

亡くなる1か月くらい前までずっと「お金」のことばかり話すので、私は自分とは価値観の違う母を受け入れるのがとても辛く、限界に達しようとしていた。 しかし、その後、母にとって大切なものが、「家族の愛」に変化した。人間は、最期のときが迫ってくると、本当に大切なものがわかってくるのかもしれない、 と思った。(M.I.)


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