第15回 研修旅行の報告・感想

第15回 研修旅行の報告・感想

臨床パストラル・カウンセラー 加藤 理人

第15回研修旅行

第15回研修旅行

第15回目になるこの研修旅行に参加し、「スピリチュアルケアとは何か、どういうものか」を体験的に学ぶことができた。学んだこと体験したことを記してみたい。

2010年9月3日から15日まで、NPO臨床パストラル教育研究センター理事長のW・キッペス師を団長として、総勢23名のグループで研修した。参加者の職種は、医師、看護師、理学療法士、臨床パストラル・カウンセラー、病院ボランティアなどであった。研修地は、ドイツのフランクフルト近郊、アウグスブ ルグ、シュトゥットガルト、ミュンヘン、ウルム、ベルリンの各地にあるホスピス、病院、パストラルケア研修センターを訪問した。

今回の研修において個人的には、「人間そのものが持っているスピリチュアルなもの」、つまり、「その人を内面から生かすものは何であるのか」を問い直すことを目的としていた。

ドイツでは、ホスピスを創設するにあたり、反対する意見があった。それは、ホスピスが「安楽死を想像させる」、そして「強制収容所を想像させる」という理由であった。

人が生きている世界には必ずその時々の問題、そしてそれまでの歴史がある。その歴史や現在の問題を抱えながら、今をどのように生きて行くかを人間は常に問われている。これは、「痛み」と共に問題を生きることであると思う。

ドイツの人々がこのような痛みを持ちながら、多くのホスピス(その中には、日本にはまだないエイズホスピス、子供ホスピスもある)を創設したことに「人間そのものが持っているスピリチュアルなもの」があるような気がした。

そして、創設した方々の中には、「人が最期までよりよく、その人らしく生きる」ことを支えていこうとする希望を持っていたのだろうと思った。

なぜなら現在ホスピスとして使われている施設が以前は軍人病院であったり、または、ユダヤ人の小学生が虐殺された小学校であったりするからである。

つまり、戦争や迫害という負の体験、または痛みを伴った施設を現在は、「いのち」を大切にし、誰に対しても尊敬の心を持ちながら関わっていく施設にしている。そこには、生を支えたい思いがあったに違いない。

ドイツには、歴史的、国民的な痛みを抱えつつも、タブー視せずに、むしろ痛みを土台にして前進し、ホスピスケア、スピリチュアルケアに取り組んでいく姿勢があると思った。

また、ホスピス創立に関してもまず、「個人のイニシアティヴ」で始まっており、「予算でなく、援助者の理解と協力による運営」、「ホスピス在宅ケアが中心 になっていること」、「ボランティアの協力」などが強くでており、そういった意味でも一人ひとりが、自分を内面から動かし、生かしているものと共に行動し ていく姿を感じることができた。


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